繊維強化プラスチックは、航空機や自動車などの乗り物、ユニットバスなどの住宅設備機器、最近では、ロボットやドローンなどにも使用されるようになっています。この繊維強化プラスチックには強化繊維が樹脂の流れ方向に配向する傾向があり、成形品にそりが発生したり、特定方向の強度が弱くなるといった問題があります。
それら欠点を改善するためにあらかじめ強化繊維が混入されている材料を成形時に用いてきましたが、これらの材料はもともと繊維の長さが短いことから、金型に充填した時に繊維折損が発生しやすく長い繊維が残らないために、強化繊維によるメリットを得られない問題が残っていました。
弊社の成形装置では、①連続強化繊維を投入できること、②樹脂の流れの方向をそれぞれ異なるように積層できることから、最終の成形品には、折損せずに長い強化繊維が残るようになり、しかも第1層と第2層とで長い強化繊維の配向が互い違いとなっているので、方向に因らずに曲げ強度や弾性率などが大幅に向上した高強度の成形品を得ることができるようになりました。